🏯本能寺 ― 織田信長の最期と、再生の歴史をたどる

京都・中京区にある本能寺（ほんのうじ）は、日本史の大事件「本能寺の変」であまりにも有名なお寺です。

しかし、本能寺はただ「信長が倒れた場所」というだけでなく、法華宗の重要な寺院であり、幾多の災厄を乗り越え今に続く“復興の寺”でもあります。
今回は、そんな本能寺の歴史・見どころ・ご利益・周辺の神社仏閣まで詳しくご紹介します。

🕰 本能寺の歴史 ― 信長ゆかりの「本能寺の変」とは

本能寺の創建は応永22年（1415年）。
日隆聖人が法華宗の教えを広めるために開いたのが始まりです。
当初は、現在の場所よりも少し西の方、油小路蛸薬師下ルにありました。

天正10年（1582年）6月2日未明。
天下統一を目前にしていた織田信長が、京都に滞在中の本能寺で、家臣の明智光秀に襲撃された――
この「本能寺の変」によって、寺は全焼。信長もその生涯を閉じました🔥。

その後、本能寺は豊臣秀吉の命により現在の寺町御池に再建されます。
以来、何度も火災や戦災を受けながらも、何度でも立ち上がる寺として再興を続けてきました。
この「再生の歴史」こそが、本能寺の真の魅力といえるでしょう。

現在の本堂は昭和3年（1928年）に再建されたもので、
堂々たる佇まいの中に信長公の霊を祀る「信長公廟」があります。
信長を偲ぶ参拝者が絶えず、今も全国から多くの歴史ファンが訪れています。

境内の奥にある小さな石造の塔が信長公廟。
ここには信長の遺骨は納められていませんが、信長の魂を慰めるための供養塔として建立されました。
静かに手を合わせると、400年以上前の歴史がよみがえってくるようです。

現在の本能寺は、事件当時の場所とは異なります。
旧址は、四条西洞院あたり（現在の元本能寺跡）に石碑が建てられており、
信長が最後を迎えた地として、今も多くの人が手を合わせに訪れます。

本堂の奥には宝物館があり、信長や本能寺の歴史を伝える貴重な資料が展示されています。
特に人気なのが「信長公坐像」や「信長朱印状」。
ここでは、歴史の表舞台に立った武将たちの息遣いを感じることができます。

本能寺は、信長のイメージから「勝運のご利益」があるといわれています。
試験やビジネス、スポーツなどで勝ちをつかみたい人におすすめです。
また、幾度もの火災から立ち上がった歴史から、再起・再生のパワースポットとしても知られています。

「何度倒れても立ち上がる強さを信長に学ぶ」――
そんな思いを胸に、参拝してみてはいかがでしょうか。

本能寺の境内は一年を通して静寂に包まれていますが、季節ごとに表情を変えます。

どの季節も、歴史の重みと自然の美しさが調和する時間を楽しむことができます。

所在地：京都市中京区寺町御池下ル下本能寺前町522
アクセス：
・地下鉄東西線「市役所前駅」下車すぐ
・阪急「京都河原町駅」から徒歩約10分
・京阪「三条駅」から徒歩約5分

拝観時間：9:00〜17:00（入館は16:30まで）
拝観料：境内自由（宝物館は有料一般700円中高校生500円小学生300円）

本能寺の周辺には、京都を代表する神社仏閣が数多くあります。
歴史散策を楽しむなら、次のスポットもぜひ訪れてみましょう✨

六角形の本堂が特徴的な頂法寺（六角堂）は、聖徳太子ゆかりのお寺。
京都の中心を示す「へそ石」でも知られています。

学問の神様・菅原道真公を祀る錦天満宮。
商店街の中にあるユニークな神社で、参拝後は錦市場の食べ歩きも楽しめます。

清少納言や和泉式部など、女性ゆかりの寺として知られる誓願寺。
恋愛成就や芸能上達のご利益があると人気です。

信長が倒れたとされる旧本能寺跡も、ぜひ立ち寄りたい場所。
今も「信長公終焉之地」と刻まれた石碑が、静かにその歴史を語りかけます。

本能寺は、ただの歴史の舞台ではなく、「蘇る寺」としての強さを感じさせてくれます。
信長の志、再建を重ねた僧たちの努力、そして今なお祈りを捧げる人々――
そのすべてが、訪れる者の心を静かに奮い立たせます。

歴史の中で何度も燃え、何度も立ち上がった本能寺。

ここには、「失敗しても、再び歩き出す力」が宿っています🔥。