平等院鳳凰堂を訪ねて:10円玉の世界に隠された「驚き」の体験

斜め前から見た平等院鳳凰堂。阿字池にその優美な姿がうっすらと映り込む様子。 京都市以外のエリア
(筆者撮影)

京都・宇治を代表する観光スポットといえば、誰もが知る「平等院鳳凰堂」です。10円硬貨のデザインとしてあまりにも有名ですが、実際にその地に立ってみると、硬貨の小さな世界からは想像もできないほどの圧倒的な美しさと、深い歴史の重みを感じることができました。

今回は、私が実際に平等院を訪れて心から驚いたこと、そしてこれから訪れる方にぜひ体験してほしい見どころについて、詳しくお伝えします。

鳳凰堂内部拝観で出会った、予想外に大きな「阿弥陀如来坐像」

平等院を訪れる際には絶対に外してほしくないのが「鳳凰堂内部拝観」です。私は今回、この内部拝観に参加して、ある大きな衝撃を受けました。

それは、堂内に鎮座する「阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)」の大きさです。外側から眺めているだけでは気づかなかったのですが、一歩堂内に入ると、見上げるほどの巨大な大仏様がそこにおられました。

平安時代の名匠・定朝(じょうちょう)によって作られたこの本尊は、高さが約2.8メートル(坐像として)もあり、黄金に輝くその姿はまさに極楽浄土の主そのもの。ガイドの方の解説を聞きながら、薄暗いお堂の中で静かに微笑む大仏様と対峙する時間は、外の喧騒を忘れさせてくれる神聖なひとときでした。内部拝観は50人の人数制限があり、当日先着順の受付(9:30始まりで20分ごとに入れ替え 最終16:10)となるため、到着したらまず最初に予約を済ませるのがコツです。

私が訪れたのは5月の午後でしたが、予約してから実際に拝観できたのは1時間くらい経ってからでした。300円という低料金のため大人気ですよ。

ミュージアム鳳翔館:仏像の枠を超えた「芸術品」に酔いしれる

鳳凰堂の参拝を終えた後に向かったのは、境内にある「平等院ミュージアム鳳翔館(ほうしょうかん)」です。最新の設備を整えたこの博物館で、私は再び驚きと感動に包まれました。

特に心奪われたのが、国宝「雲中供養菩薩像(うんちゅうくようぼさつぞう)」の展示です。鳳凰堂の壁にかけられていた52躯(く)の菩薩像のうち、半数がこちらに展示されているのですが、これらはもはや「仏像」という言葉では収まりきらない、最高峰の「芸術品」だと感じました。

雲に乗って楽器を奏でたり、舞を舞ったりする菩薩様たちの姿は、驚くほど軽やかでリズミカル。一つ一つの表情やポーズが異なり、木造とは思えないほどの躍動感があります。間近でじっくりと鑑賞できる展示形式のおかげで、当時の職人たちが極楽浄土をどのように表現しようとしたのか、その熱量がダイレクトに伝わってきます。ここを訪れるだけでも、平等院に来る価値があると断言できます。

斜め前からのアングルが最高!平等院鳳凰堂の建築美を堪能する

平等院鳳凰堂を最も美しく写真に収めるなら、やはり「斜め前」からのアングルがおすすめです。池(阿字池)越しに眺める鳳凰堂は、左右対称の翼を広げた鳥のような優美な姿を見せてくれます。

風が穏やかな日には、水面に「逆さ鳳凰堂」が映り込み、その景色はまさにこの世に現れた極楽浄土。11月の終わりの紅葉シーズンや、初夏の藤の花が咲く時期など、四季折々の彩りがこの朱色の建物をよりいっそう引き立てます。

また、屋根の上で向かい合う「鳳凰」の姿も必見です。現在屋根にあるのは2代目の複製品ですが、本物の国宝の鳳凰は先ほどの「鳳翔館」で間近に見ることができます。実物の細工の細かさと迫力には、思わず言葉を失うはずです。

平等院鳳凰堂 屋根の上の金色の鳳凰


屋根の上の鳳凰(筆者撮影)

平等院は鳳凰堂が有名なんですけど、ほかにも浄土院や不動堂などの見どころもたくさんあります。

平等院浄土院


平等院浄土院(筆者撮影)

また鳳凰堂の周囲を巡る道もあり、西側が少し高くなっていますのでそこへ行けば鳳凰堂を見下ろすことができます。境内での拝観が終わったらその道に行くのもいいですよ。

平等院周辺のセットで巡りたい神社仏閣スポット

宇治には、平等院以外にも素晴らしい神社仏閣が点在しています。徒歩圏内で巡れるおすすめのスポットをご紹介します。

1. 宇治上神社(うじがみじんじゃ) 平等院から宇治川を渡ってすぐの場所にある、世界遺産の一つです。本殿は平安時代後期に建てられた「現存するわが国最古の神社建築」として知られています。静寂に包まれた境内は、平等院の華やかさとはまた違った、凛とした空気感が魅力です。

2. 宇治神社(うじじんじゃ) 宇治上神社のすぐ手前に位置し、学問の神様として親しまれています。正しい道へと導いてくれる「みかえり兎」の像が有名で、うさぎをモチーフにしたおみくじや御朱印も人気です。

3. 興聖寺(こうしょうじ) 宇治川沿いを上流へ歩くと現れる曹洞宗の寺院です。「琴坂(ことざか)」と呼ばれる参道は、秋になると紅葉のトンネルとなり、京都屈指の美しさを誇ります。

4. 三室戸寺(みむろとじ) 少し距離はありますが、バスや車で移動すれば「花の寺」として有名な三室戸寺もおすすめです。紫陽花やツツジ、蓮など、季節ごとに境内が花々で埋め尽くされます。

平等院へのアクセスと拝観料金ガイド

最後に、参拝に役立つ基本情報をまとめました。

アクセス方法

  • 電車を利用する場合: JR奈良線「宇治駅」から徒歩約12分。 京阪宇治線「宇治駅」から徒歩約10分。 どちらの駅からも分かりやすい案内板があり、参道の商店街を楽しみながら歩けます。
    これは余談ですが宇治橋通りにオープンしていたカレー屋さん、席は小さめでしたがとても美味しいカレーがお値打ちに食べられましたよ。

  • 車を利用する場合: 平等院専用の駐車場はありませんが、周辺に民間のコインパーキングや「宇治駐車場(市営)」が多数あります。
    (私も車を利用しましたが、平等院の周りは道が狭く人も多いので宇治橋を渡ったところの有料駐車場に停めました。)

拝観料金

  • 庭園 + 平等院ミュージアム鳳翔館: 大人 700円 / 中高生 400円 / 小学生 300円
    庭園拝観時間・8:45~17:30 鳳翔館拝観時間・9:00~17:00(受付はいずれも15分前終了)

  • 鳳凰堂内部拝観: 別途ご志納金 お一人様 300円が必要です。 ※9:30より拝観開始、20分ごとに1回50名の定員制となっています。

※情報は2025年現在のものです。最新の状況は公式サイトをご確認ください。

おわりに:実際に足を運んでこそわかる平等院の奥深さ

10円玉のデザインとして日常的に目にしている平等院鳳凰堂。しかし、実際に訪れて内部拝観で大仏様に出会い、鳳翔館で芸術的な菩薩像に触れることで、その真の価値を深く理解することができました。

写真や硬貨では伝わりきらない「大きさ」「色彩」「空気感」。これらすべてが合わさって、平等院という唯一無二の空間が作られています。京都を訪れる際は、ぜひ時間に余裕を持って宇治まで足を延ばし、この感動を体験してみてください。

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