京都・東山エリアの穴場神社仏閣10選|祇園・岡崎で巡る隠れた名所

京都東山の山並み 京都の神社仏閣
画像出典:有料素材サイト「ACフォト」

京都観光といえば、清水寺・金閣寺・伏見稲荷大社といった世界的に有名な名所を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、京都の魅力はそれだけにとどまりません。特に東山・祇園・岡崎エリアには、歴史ある神社仏閣が数多く点在しながらも、意外と観光客が少なく、落ち着いた雰囲気の中で参拝できる場所が存在します。

今回は、そんな「知る人ぞ知る穴場スポット」として、東山エリアを中心におすすめの神社仏閣を10か所紹介します。静かに歴史を感じたい方、写真映えスポットを探している方、そしてご利益を求める方にも役立つ内容です。


1.青蓮院門跡(しょうれんいんもんぜき)

青蓮院は比叡山延暦寺を本山とする天台宗の門跡寺院で、格式の高い寺として知られます。門跡とは皇族や貴族が住職を務めた寺院を意味し、特に青蓮院は歴代法親王が住持したことから、宮廷文化との関わりも深い寺です。

境内に入ると広々とした庭園があり、池泉回遊式庭園や小堀遠州作と伝わる庭が楽しめます。春や秋には夜間ライトアップが行われ、幻想的な青い光に包まれる空間は「青の幻想庭園」と呼ばれ、カップルや写真愛好家にも人気です。観光地の中心から少し外れているため、意外と落ち着いて参拝できるのも魅力です。


2.知恩院(ちおんいん)

知恩院は浄土宗の総本山で、法然上人を開祖とする寺院です。京都の東山三十六峰のひとつに位置し、広大な境内には圧巻の伽藍が立ち並びます。中でも高さ24メートルを誇る「三門」は日本最大級の木造門で、その迫力に思わず息を呑むでしょう。

御影堂には法然上人像が祀られ、浄土宗の信仰の中心地となっています。観光客も多い寺ですが、敷地が広大なので人混みを避けて静かな時間を過ごすことも可能です。春の桜、秋の紅葉、さらに大晦日の「除夜の鐘」など、年間を通じて多彩な行事が楽しめるのも魅力です。


3.建仁寺(けんにんじ)

臨済宗建仁寺派の大本山で、京都最古の禅寺とされる建仁寺。1202年に栄西禅師が開いた寺で、茶の普及や禅文化の発展に大きく貢献しました。

見どころの一つは、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(高精細複製)が展示されている法堂。また、天井には小泉淳作による「双龍図」が描かれ、迫力満点の空間を体験できます。枯山水庭園や方丈庭園も整っており、禅の世界観を体感できるスポットです。祇園エリアから近い割に観光客が分散しているため、ゆっくり散策できるのもおすすめポイントです。


4.六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)

六波羅蜜寺は951年、空也上人によって開かれた寺で、平安時代から京都庶民の信仰を集めてきました。空也上人像は、口から六体の小さな仏を吐き出す姿で表現され、念仏の教えを分かりやすく伝えています。

また、平清盛坐像や運慶・快慶作と伝わる仏像群も所蔵しており、まさに日本史の教科書で見る仏像を間近で鑑賞できる場所です。境内は小規模ながら、京都の歴史と仏教文化が凝縮された濃密な空間。京都観光において「知る人ぞ知る」必見のスポットといえるでしょう。


5.安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)

「悪縁を切り、良縁を結ぶ」ことで有名な安井金比羅宮。境内の「縁切り縁結び碑」は高さ1.5メートルほどの石碑で、中央に穴が空いています。参拝者は願い事を書いた形代(かたしろ)を貼り、碑の穴をくぐることで悪縁を断ち切り、良縁を呼び込むとされています。

恋愛関係だけでなく、病気・悪習慣・仕事のしがらみなど、あらゆる悪縁を断ち切るご利益があるとされ、若い女性から年配の方まで幅広い層に人気です。ユニークな参拝体験ができるため、京都の中でも一度は訪れたい神社です。


6.八坂庚申堂(やさかこうしんどう)

正式名称は「金剛寺庚申堂」。庚申信仰の中心地として知られ、境内には色鮮やかな「くくり猿」が所狭しと吊るされています。この猿は欲望を我慢することで願いが叶うとされ、参拝者は願い事を託して奉納します。

最近ではSNS映えスポットとして人気が高まり、カラフルな光景はまるで絵本のよう。境内は小さめですが、祇園散策の途中に立ち寄るにはちょうど良いサイズ感。写真を撮りつつ信仰文化も感じられる、ユニークな体験ができる場所です。


7.長楽寺(ちょうらくじ)

長楽寺は、天台宗の寺院で空海が開いたと伝わります。豊臣秀吉の正室・ねね(北政所)ゆかりの寺としても知られ、境内にはねねの木像も安置されています。

紅葉の名所としても有名で、秋には赤や黄色に染まる山裾の風景が見事です。京都中心部の喧騒から少し離れ、落ち着いた雰囲気で参拝できるのも魅力。祇園から徒歩圏内ながら、意外と訪れる人が少ないため、ゆっくり散策したい人におすすめです。


8.高台寺(こうだいじ)

高台寺は、豊臣秀吉の菩提を弔うためにねねが建立した寺院です。池泉回遊式庭園や枯山水庭園が整い、四季を通じて美しい景観を楽しめます。特に秋の夜間ライトアップは京都屈指の美しさと評され、多くの人々を魅了してきました。

境内には秀吉とねねを祀る霊屋があり、桃山文化を色濃く残しています。また、竹林の道や石畳も風情があり、散策するだけで京都らしい情緒を味わえます。観光スポットとして有名ですが、夕方以降は比較的落ち着いた雰囲気になるのでおすすめです。


9.圓徳院(えんとくいん)

高台寺の塔頭寺院で、ねねが晩年を過ごした場所として知られます。北庭は小堀遠州作と伝わる庭園で、静寂の中に洗練された美を感じさせます。

観光客が少なめで落ち着いた雰囲気が漂い、じっくりと庭を眺めたり心を整える時間を過ごすのに最適。高台寺や八坂神社と近い位置にあるため、合わせて訪れると歴史のつながりを感じやすいでしょう。


10.粟田神社(あわたじんじゃ)

東山の麓にある粟田神社は、刀剣の神様として知られます。平安時代、この地には「粟田口」と呼ばれる刀鍛冶の一大集団が存在し、その歴史を背景に刀剣ファンの聖地となっています。

毎年10月に行われる「粟田祭」では神輿が東山の街を練り歩き、迫力ある祭礼を間近で体験できます。観光客の姿は比較的少なく、地元に愛される神社らしい素朴な雰囲気が残っているのも魅力です。


まとめ

東山・祇園・岡崎エリアには、清水寺や八坂神社といった有名観光地だけでなく、静かに歴史を感じられる穴場の神社仏閣が数多く点在しています。今回紹介した10か所は、それぞれに独自の魅力やご利益、そして歴史的背景があります。

大きなお寺でスケールのある伽藍を楽しむのも良し、小さな境内で心静かに祈るのも良し。京都の旅を少し違った角度から楽しみたい方には、ぜひおすすめしたいスポットです。

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